激しいコントラスト、荒々しい粒子、即興性に満ちたストリートの眼差し。
日本を代表する写真家・森山大道の美学が、極限まで凝縮された作品集が《Orizuru(特装版)A》である。

「Orizuru(折鶴)」というタイトルが示すのは、日本文化における祈り、平和、そして記憶の象徴。しかし森山のレンズを通した折鶴は、単なる希望のアイコンではない。そこに折り重なるのは、記憶、欲望、都市に漂う孤独――断片化された感情の層である。

本作では、森山ならではのハイコントラストなモノクロームが、粒子とノイズを伴いながら展開される。それはまるで、不確かな記憶の残像のようだ。
街角でふと交わされる視線、滲むネオン、風に舞う新聞紙。東京の日常に埋もれがちな一瞬一瞬が、《Orizuru》の中では詩的な「記録行為」として立ち上がる。
一枚一枚の写真は、存在の証明であり、同時に過去の感情を静かに呼び覚ます装置でもある。

特装版《Orizuru(A)》は、装幀においても高い完成度を誇る。手作業によるパッケージングと上質な紙質は、写真集という枠を超え、一点のアートピースとしての存在感を放つ。限定発行という希少性も相まって、写真ファンのみならず、アートコレクターやブックデザイン愛好家の視線を強く惹きつけている。

森山大道はかつてこう語った。
「私が撮っているのは現実そのものではなく、私の記憶の中にある現実だ。」

《Orizuru(特装版)A》は、その言葉を体現する作品である。
時間、都市、人間性について――声なき低語で語りかけてくる、深い対話の書なのだ。

BAMBI(渡辺万美)コメント

今日は少し特別なお話を。

日本を代表する写真家・森山大道さんに、約60年ぶりに撮られるヌード作品集『Orizuru』のモデルを務めさせていただきました。

人生で一番光栄な瞬間

グラビアやヌードに挑戦してきた私にとって、この撮影は人生の中でもとても大きな意味を持つものになりました。
「やってきて本当に良かった」って、心の底から思える瞬間でした。

14年のキャリアに一区切り

大道さんの前でシャッターを切られる自分を感じながら、14年間続けてきたお仕事に一つの区切りをつけられたような、不思議な安堵がありました。
上手く言葉にできないけれど、「渡辺万美」という名前を背負いながら歩んできた道を、大切に認めてもらえたような気がします。

新しい出会いに感謝して

ヌードはただ裸になることではなく、自分の存在や生き方そのものを表現するものだと改めて感じました。
森山大道さんの世界に身を委ねることで、自分自身の新しい可能性にも出会えたように思います。

『Orizuru』は、私にとっても忘れられない作品です。
ぜひ、たくさんの方にご覧いただけたら嬉しいです。

渡辺万美